前にブログで富士山信仰と富士塚について少し書きましたが、大都会東京の渋谷区にある富士塚に登ってきました。
鳩森八幡神社という名前の通り可愛い鳩の御朱印や鳩みくじがありますが、将棋の聖地としても人気の珍しい神社。
華やかな花手水も必見。
いざ、鳩森八幡神社のおてなみ拝見!
〜おしながき〜
どっちから入る?正面鳥居と大鳥居
神社の出入口と言えば鳥居があり、普通正面の鳥居が大きく賑やかな事が多いと思います。
ちなみに、鳩森神社には2つの鳥居(出入口)がありますが、私は将棋会館から近くの静かな道に面している鳥居から入りました。
こちらが正面鳥居とのこと。
観光客向けでしょうか?
インフォメーションマークが書かれた大きな看板があります。
中に入るとすぐに手水舎や社殿がありますが、人は少なく社殿は横向きだし参道らしさがない静かな雰囲気。
案内図を見て発覚!
もう一つ別の入口(大鳥居)がありました。
そうだよね〜、そうですよね〜
普通は鳥居から参道がまっすぐ伸びていて狛犬がいて、突き当たりに社殿という神社が多いはず。
なんとなく賑やかな方から入りたかったので、中を一旦全て通り過ぎて大鳥居から出て、再度入り直しました。
こちらがその大鳥居。
見た感じ先程の鳥居と変わらない大きさの石鳥居。
でも目の前は交差点で人通りも多く、飲食店もあり賑やかな雰囲気でした。
ここでふと疑問、こちらの方が正面じゃないのかな?
そもそも大鳥居=正面で、他は裏参道じゃないのか?
疑問が湧いたら、レッツNatsumedia٩( ᐛ )و
鳥居の基礎知識
・鳥居は神社の内側の神域と外の俗界との境界線で、一般的には1つだが、大きな神社では複数ある。
・複数ある場合、一番大きな鳥居を参道入口に設け「一の鳥居」と呼ばれるが、神社によっては本殿に近い場所から一、ニと呼ぶ場合もある。
・番号以外に大鳥居など別の呼び方をされる場合もある。
・入る前と出る前には神様に一礼し、真ん中を歩いちゃダメ(神様の通り道だから)
調べれど調べれど、一般的な事しか解らず苦悶していたところ、有力な情報を手に入れました。
なんと神社の参拝は「本殿がある南側から入るのが正式な参拝経路」とのらしい!?
で、改めて地図を見てみると…やはり社殿の南でした!
なので最初の方が正真正銘の正面鳥居なんですね。
他の有名な神社でも、参道があり華やかな門や鳥居が実は正面じゃない…このパターン結構あるみたいです。
ただ、全国には東正面の鳥居などもあるらしいので、パッと見では分かりにくいですね(汗)
そうなると次の疑問。
なぜ別の方角に大鳥居を作ったのか?
しかしこの点はいくら考えても解らずでした。
商店など人が集まる道に面した方に後から出入口を作ったんですかね?
どっちから入っても間違い無さそうだけど、初めて参拝する方はせっかくなので、是非両方見てみてください。
甲賀稲荷社
大鳥居からまっすぐ進み立派な狛犬がいる辺りの左側の末社から巡ってみました。
赤い鳥居が幾つも並ぶ。
甲賀稲荷社
甲賀と聞くと忍者のイメージですが…簡単に説明すると、滋賀県の甲賀流忍者の一部が武士になる→江戸幕府が甲賀衆という組織を作る。
鉄砲演習場だった権田原に甲賀衆が崇拝していた稲荷神社を創設→色々あって鳩森神社に遷座。
あの忍者の甲賀の人達が崇拝する稲荷神社=甲賀稲荷社ということらしい。
ちなみに甲賀は「こうが」じゃなくて「こうか」と読むそうです。
鳥居越しに富士塚の裏側が見えますが、なんとも言えない迫力が漂ってきます。
千駄ヶ谷の富士塚
さらに、甲賀稲荷社の隣は有形民俗文化財の千駄ヶ谷の富士塚があります。
富士塚とは?
以前別のブログでも少し触れましたが、富士塚とはその昔、金銭や体力的な問題で富士山まで行けない人のため人工的につくられた富士山の事。
頂上までの案内版。
ミニチュア富士山と言っても、ちゃんと一合目〜頂上までのに道標があります。
人ひとり倒れるくらいの道幅でかなりゴツゴツ歩きにくいので、登りと降りるルートは別になります。
この日ブーツで来てしまったけど、せっかくなので登ってみます!
入口の狛犬さんはナノブロックみたいに四角く可愛いタイプ。
ミニとはいえ、足場が悪いので登山の安全をしっかりお祈り。
入口にミニパンフと、御朱印の案内あり。
人工的と言っても、登山道は自然石を用いて階段にしています。
ドキドキ…
「足元が滑りやすい為 十分気をつけて お登りください」の注意書き。
一合目〜頂上まで
入口は階段もあり余裕で一合目、二合目…っと。
里宮でお賽銭。
見た目は公園にあるお山みたいですが、登ると本物の登山の様に段々と険しくなってきます。
四合目と五合目の間にある、小御嶽石尊大権現。
富士山の小御嶽神社の代わり。
五合目以降からは段差も厳しく、岩肌が荒く足場が悪いので注意。
なんとか転ばずに頂上の奥宮に到着!
釈迦の割れ石や金明水も、実際富士山にあるものを忠実に再現。
なんと、頂上付近には富士山の溶岩が置かれているらしい。
確かに、途中から岩がゴツゴツしていて見た目も厳か。
お賽銭をしてお参り。
これで、富士山の奥宮で参拝したことと同じになるらしいです。やったね!
小さな山なのにぐるぐる回って上に登るので、下から想像していたよりも頂上からの景色は高く、達成感。
小さな富士山ですが、ヒールや足腰が悪い方には登るのはかなり大変なのでご注意下さい。
(社務所の方からも「危ないのでブーツなどはご注意ください」と念を押されましたが…もう登った後でした)
公式サイト富士塚のページ
能楽殿、将棋堂、神明社
鳩森神社には甲賀稲荷社や富士塚以外にも、沢山の見どころがあります。
富士塚のすぐ隣にはガラス張りの建物があります。
能楽殿
建物はとても古そうなのに、大きなガラス張りってなんだか不思議な見た目。
こちらでは狂言や能が披露されます。
富士塚の目の前には謎の建物があります。
将棋堂
昭和61年に神社と日本将棋連盟が協力して建設された六角堂。
中には将棋界の繁栄を願った「王将」の大駒が祀られています。
有名な棋士もお参りに来るそう。
すぐ近くにマンホールカードの配布をしている将棋会館があるので、セットで訪れる人も多いそうです。
神明社
将棋堂の裏、社殿の向かいに竹藪にひっそりと隠れるように鎮座。
入口の鳥居は小さいし暗いので、通り過ぎてる方も多いですが御祭神は天照大神。
昼間でも暗く、太陽の神様とは思えない?
もしかしたら岩戸に隠れている時の天照さんなのかも?
甲賀稲荷社同様に、権田原から遷座されたそうです。
境内の中央には、最近参拝客の多い神社でよく見かける電子案内板があります。
近隣の飲食店や美容院・保育園など…観光客の為の案内図というより、地元に暮らす方への広告。
また無駄のない有効活用、側面では身長が測れます。
七五三の時の記念撮影にいいですね。
(もし私が七五三でここにきてたら絶対にやってた…)
庚申塚
こちらは境内の外になりますが、一応社殿の北側に庚申塚があります。
将棋会館の前の道沿いあり真っ赤で目立つので、たまたま鳩森神社に入る前に寄っていました。
中を覗くと草鞋が沢山掛かっていて不思議な光景。
庚申塚とは、中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のこと。
そして庚申信仰とは、仏教や神道・呪術的な医学など、日本の民間のさまざまな信仰(民間信仰)や習俗などが複雑に絡み合った複合信仰のこと。
だから神社の境内からは外れているのでしょうか?
そして、沢山の草鞋は足腰がよかなります様にと願いを込め奉納されています。
足腰の神様。
花手水と社殿
次に社殿と手水舎の紹介です。
こちらの手水舎には綺麗なお花が浮かんでいます。
花手水、好き♡
この日は大きな白と赤と黄色の…菊?
大きな丸いお花がポンポン浮いていて色も鮮やかで、心が洗われました。
コロナ禍以降、感染対策でお水を止めていたため花手水で心を洗う…という流れが一気に増えましたが、すごく素敵ですよね。
制限されたことで新しく生まれるものもある。
こういう小さな積み重ねで歴史が変わっていくんだな〜と、片鱗に触れた気分。
鳩森神社は特徴的な見どころが沢山あるので、社殿の存在感が若干薄まりますが…(社殿も小さめ)
でも松の木とセットのこの景色、お気に入り。
松の木というと柴又帝釈天の瑞龍のマツを思い出しますが、鳩森神社の松と社殿も派手さはないもの心が穏やかになる空気でした。
鳩みくじと御朱印
社殿の左隣の屋根がある一角に社務所があります。
将棋の神様がいるので、当然お守りも…
王手守と王手勝守
将棋盤のお守りですが、勝負ごとに王手をかけて勝利に導いてくれるそう。
このお守りで個人的に気になったのは、“叶えてくれる”ではなく、“王手をかける”と“導いてくれる”というところ。
余談ですが、私は参拝する時はいつも「◯◯してください」じゃなく、「◯◯になるため頑張るので、くじけそうになったらどうか喝入れて支えてください」とお願いをしています。
チャンスや良い巡り合わせに一瞬出会えてもそれを掴んで長く保つには、結局はそれまでの普段の自分の行いが大きいと思うんです。
なので、良い流れまで導くけど最後の一手は自分自身(いい流れと思っても気を抜かずトドメをさせ!)という、隠れたメッセージがあるように感じるこの王手勝守がなんだかすごく素敵に感じました。
そして、おみくじは神社の名前の「鳩🕊」。
折り紙みたいで可愛いおみくじです。
以前、鎌倉の鶴岡八幡宮でも鳩みくじを引きましたが、八幡と鳩って何か関係があるんですかね?
(※これは現時点であまり興味がないので調べません、気まぐれNatsumedia)
御朱印にも鳩のスタンプ。
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鳩森八幡神社の詳細
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-1-24
03-3401-1284
千駄ヶ谷駅から徒歩5分
国立競技場駅から徒歩5分
北参道駅から徒歩5分
公式サイト